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Researcher |
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■ 岡本 浩二 |
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■ Publication list
/ Kojiro Ishii- Ishii K, Ogiyama Y, Chikashige Y, Soejima S, Masuda F, Kakuma T, Hiraoka Y and Takahashi K
Heterochromatin integrity affects chromosome reorganization after centromere dysfunction.
Science 2008, 321(5892);1088-1091.
- Ishii K and Laemmli UK
Structural and dynamic functions establish chromatin domains.
Molecular Cell 2003, 11(1); 237-248.
- Ishii K, Arib G, Lin C, Van Houwe G and Laemmli UK
Chromatin boundaries in budding yeast: the nuclear pore connection.
Cell 2002, 109(5); 551-562.
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Research contents |
ミトコンドリアは「細胞の発電所」とも呼ばれるオルガネラですが、生命活動のためのエネルギーを供給する過程で活性酸素種も発生し、酸化ストレスを蓄積します。この酸化障害に対処するための品質管理経路は多種多様であり、その破綻が様々な病気を引き起こすことがわかっています。私たちのグループでは、ミトコンドリアを丸ごと分別・除去する機構「マイトファジー」に焦点を絞り、解析可能な現象として捉えるとともに、分解の選択性を規定している鍵因子を見出してきました。マイトファジーは酵母からヒトまで保存された基本的な機構であり、細胞の恒常性維持に必須であると考えられます。今後は、これまでの研究をさらに発展させ、マイトファジーによるミトコンドリア品質管理の分子機構と生理機能を解明してゆきます。
細胞は、ミトコンドリアを丸ごと分解するため、オートファジー(自食作用)の仕組みを利用します。一般にオートファジーとは、栄養欠乏時において発動される、細胞内構成成分の非選択的大規模分解であり、生体分子のリサイクルによる飢餓適応機構として働きます。これに対し、特定のタンパク質やオルガネラを除去する選択的な仕組みもあり、ミトコンドリア・オートファジー(マイトファジー)もその一つと考えられています(図1)。私たちは、出芽酵母をモデルに用いて、マイトファジーの分子基盤を獲得し、ミトコンドリア特異的「分別マーク」タンパク質を同定、その機能を明らかにしました(図2・3)。この鍵因子がどのような仕組みで発現し、ミトコンドリア隔離を媒介するのか、そしてマイトファジーを適切なレベルに制御するのかといった問題に取り組みます。加えて、その他のマイトファジー関連因子群についても解析し、選択的ミトコンドリア分解システムの時空間動態を統合的に理解してゆきます。
選択的ミトコンドリア分解は、機能不全のミトコンドリアを除去することによってオルガネラの品質管理を行うと考えられます。例えば、呼吸活性を欠損した異常ミトコンドリアを特異的に識別して排除する過程に、マイトファジーは必須であると想定できます。その際、ミトコンドリアの正常と異常を何がどのようにして見分けるのか?私たちはこの視点を通して、ミトコンドリア品質管理の根本原理に迫ります。ミトコンドリアの健康状態は、細胞の恒常性を左右する重要な問題です。マイトファジーはどの細胞機能とリンクしているのか、ミトコンドリア分解が損なわれた際に細胞内でどのような適応が起こり、あるいは障害が生じるのか?出芽酵母が持つ遺伝子・タンパク質のグローバル・ネットワーク(オミックス情報)に着目し、これらの疑問に答えることで、ミトコンドリア品質管理の生理的意義を明らかにしてゆきます。
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