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   Science project / 先端融合生物学研究者育成プロジェクト −大学院理学研究科−
Name    藤本 仰一 (理学研究科生物科学専攻・理論生物学研究室)
Theme    『 生命ネットワークの進化発生ダイナミクスの理論的研究 』
Index    1. 形作りの遺伝子ネットワーク進化
 2. 細胞レベルと集団レベルの自己組織的なシグナル伝達ダイナミクス
 
  9x9  Research contents



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1.  形作りの遺伝子ネットワーク進化

fig1    多様な節足動物の胚発生では、前後軸方向に体節形成を導く遺伝子発現のストライプ状空間パタンの作られ方に顕著な違いが現れます。代表的な長/短胚型発生の調節遺伝子群の相同性は、転写因子ネットワーク構造の違いによる発生多様化を示唆しますが、ショウジョウバエ以外の種についてはごく一部分のネットワークしかわかっていません。そこで、転写因子が空間パタン形成する発生過程を反応拡散方程式でモデル化し、数百の転写ネットワークを計算機上で進化させ、ネットワーク構造とパタン形成様式の対応を網羅的に調べています。その結果、長/短胚型に特徴的なパタン形成を示すネットワークにはそれぞれfeed-forward / feed-back loopという部品が必須であることを見出しました(図1)。部品の構造とストライプ形成機能を数理の言葉で結びつけ、現実の遺伝子発現パタンとそのノックアウト表現型から未知のネットワーク構造の推定を進めています。加えて、祖先型とされる短胚型から長胚型への進化的転移を計算機上進化実験で構成し、ネットワーク構造やパタン制御機構の進化の道筋を探します。

 

2. 細胞レベルと集団レベルの自己組織的なシグナル伝達ダイナミクス

fig2    社会性アメーバ Dictyosteliumは、環境に応じて単細胞状態と多細胞状態を遷移する生活環を持ちます。細胞間相互作用を担うcAMPや細胞内シグナル伝達分子について定量性の高い実験と協同し、生化学や分子遺伝学と整合性を保ちながら、幅広い時間スケール及び濃度スケールにまたがる細胞内/間シグナリングの定量的な数理モデルを構築しています。自己組織化、引き込み、モデル縮約、集団運動、揺らぎといった非線形数理や統計物理の概念を活用して、細胞とその集団という異なる階層の相互関係を解析します(図2)。





 

 

 
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