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   Researcher

  ■ 前川 智弘
 
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   Pharmaceutical project / 健康サイエンス人材育成プロジェクト −大学院薬学研究科−
Name    前川 智弘 (薬学研究科・生命分子合成化学研究室)
Theme    『 創薬を志向した有機合成反応の開発 』
Index    1. 創薬を志向した有機合成反応の開発(基礎反応の開発)
 2. 創薬(医薬品開発)を志向した実用的手法への応用
 
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1.  創薬を志向した有機合成反応の開発(基礎反応の開発)

fig1    生体内での反応はRNAやタンパク質などによって高度に制御されています。しかし、そのひとつひとつを細かく見れば、全て基本的な化学反応から成り立っており、それが複雑に絡み合うことで全体として大きな1つの生体反応となります。生物学が発展してきた今日、化学はツールとして見なされがちですが、逆に化学なしでは他分野の研究が進まないのも事実です。私たちは基本的な反応を見直し、深く追求することで新たな反応や化合物の物性などを見いだすことを目的として研究を行っていきます。 私たちはこれまでにパラジウム触媒を用いた新しい水素同位体標識化反応の開発研究を行ってきました。本反応は接触還元反応の検討過程から見いだされたものであり、このような基礎的な反応から新たな反応を開発していきたいと考えています。例えば、本標識化反応はC-H結合の活性化反応と捉えることができますので、水素同位体の導入だけでなく他の有用性の高い官能基導入法の開発に取り組んでいきます(図1)。ほかにも単位反応でありながら実用性の高い反応の開発を目指して研究を行っていきます。

 

2. 創薬(医薬品開発)を志向した実用的手法への応用

fig2    先に開発した水素同位体(重水素)標識化反応は、従来の方法に比べて、穏和な条件で同位体を導入することが可能です。そこで従来法では反応条件が厳しくて、導入が不可能であった化合物(医薬品など)の標識化を行い、農薬や薬物などの微量定量分析における理想的な内部標準物質としての利用や生体内での代謝遅延を狙った新しい医薬品への展開を行う予定です(図2)。









fig3     また、本方法では反応条件を変えることで、1つの化合物に対して様々な位置が標識化された化合物を作り分けることができますので、これを生物活性天然物の誘導体合成に組み込み、水素同位体で標識化された多様な誘導体を提供することが可能となります(図3)。その中からより活性の高い化合物の発見や薬物の作用機序の解明につなげていきたいと考えています。


 

 

 

 

 
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